恋する寄生虫 感想
- 2018/08/15
- 01:00

極度の潔癖症の青年と視線恐怖症の少女のややSF恋物語。
寄生虫と聞くとなんだかネガティブなイメージのが大きい。ダニとかカタツムリに寄生して乗っ取る奴とか。でも進化の結果で他所の生物に寄生して生きていく事を選んだのは効率的だし賢いとも思う。そういう意識があったかはわからないけど。
著者/三秋縋 イラスト/しおん
あらすじ
極度の潔癖症の高坂賢吾は失業中だった。他人が汚物に見えてしまい同僚と上手くやって行けず職を転々としていた。
高坂にはマルウェア作りが得意という一面があり暇な時間はインターネット上にウイルスをばら撒いていた。しかしある日、高坂は知らない男にウイルスの件がバレて脅迫される。脅迫内容は指定され場所にいる人物の面倒を見ろという事だった。その人物とは佐薙ひじりという名の不登校の女子高生だった。佐薙は脅迫してきた男の事を把握してる様子で昼間は行くあてが無いから高坂の家に行くと言い出し潔癖症の高坂は…
コンピュータウイルスをばら撒くのは犯罪だけど女子高生を家に連れ込むのは別の犯罪臭がするのですが気のせいですか。
何回どんでん返しするんですかね。いやーどっちなんだこの終わり。残酷なハッピーエンドなのかそれとも希望に溢れたエンドなのか。読む人によって捉え方が変わるんだろうけど。憂いの無いハッピーエンドが一番好きだけどネガティブ思考だからこの作品は残酷なハッピーエンドな気がしてならない。
しょっちゅう思うけど当人同士が納得して幸せなら好きになる理由って何でも良くないか。容姿が好きでも性格が好きでも社会的地位が好きでも資産が好きでも吊り橋効果でも。それこそその恋心が人以外がもたらしたとしても。某野球ゲームの主人公も「嘘から始まった恋だけどここから先は真実の愛しかない」と言うとったわ。
SFだったなぁ。心を動かすとか寄生虫こわい。最初からSFの世界にいるよりいつの間にかSFに巻き込まれているのが好き。
とにかくマスク越しのキスは素晴らしいと思いました。