孤独で優しい夜 感想
- 2018/08/27
- 23:31

傍から見て不倫でも自分にとっては不倫ではなかったら果たしてそれは純愛なのだろうか。裁判で同じ事言ったら錯乱してるとか思われそう。
著者/唯川恵
あらすじ
本気で好きだった先輩社員の入江が親友の美帆と結婚した。津島粧子はその事にショックを隠せないでいた。半年前、粧子は美帆にそれとなく自分の気持ちを入江に伝えてもらったのだが返答は「今は仕事に打ち込みたいから」という遠回しな拒絶だった。
二人が結婚してしばらく経ったある日、粧子は想いに区切りをつけるべく入江に何が結婚のきっかけになったのかと問うと「仕事に打ち込みたいからと君が自分の告白を断ったからじゃないか」と驚愕の返答をする。そして、二人は美帆が互いに虚偽の伝聞をしていた事を知り…
計略ですよ計略。怖すぎだろ。やっぱり誰にも頼らないぼっちこそ正義なんだなって。
嘘の情報を流してわざとダメージ負わせてその傷に付け込んで取り入る。賢すぎる…俺も今度から使おう。いや待て相談してくる奴も使う相手もいないじゃん…
不倫エアプだけど心底不倫って不倫相手の方が不利だと思う。不倫してる方は結婚してるんだからやっぱり家族を裏切れないから不倫を止めるとか言えば大義名分には十分だし。離婚してまで不倫相手と添い遂げようとするなんて失う物が多すぎるしそれは蛮勇すぎるだろ。そもそも不倫してる時点で蛮勇の気もするけど。
うーん結局誰が悪かったんですがね。直接の審判を受ける勇気が無かった粧子と入江なのかそれとも嘘付いてもぎ取った美帆なのか。嘘情報流されてたとしても結婚しちゃったのに入江がホイホイ過ぎるだろ。入江のしょうもなさの対比として後輩社員の宗吾がパーフェクトヒューマンだった。なんだこいつ。
こういうジャンルを読んでいて一番楽しい時は主人公の秘密が周囲に漏れて焦っていく所だと思う。
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