恋に至る病 感想
- 2020/06/09
- 19:33

斜線堂有紀先生の作品3つ目。コロナのせいで電子書籍シュババババになってるのがヤバイ。
書物は紙!というアナログ思考が「便利」という暴力で塗替えられているのを実感している。
やっぱ人間って一度、楽を覚えるとすぐそっちに流れちゃう。
便利に抗うにはぶっちぎった何かが必要だと思うんだけど、紙の本にあるのは所有感と読んでいる時の集中力ぐらいしか思い浮かばない。電子書籍恐ろしい。
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恋に至る病 感想
サイコパスのヒロイン(寄河景)と景のヒーローになると誓った主人公(宮嶺)の…何これ?恋愛サスペンスとかで良いの?破滅へのロンドとかそんな感じだったけど。テニプリかよ。
この作者の作品って序盤に登場人物が死ぬ事を明示して、そこ迄の道程の物語が多い。全体の80%ぐらい読むと「あっ…(察し)」状態になるし、キャラクターが魅力的な程、悲しくなる。確定している死にむかっていくのはほんとにやるせない。
読む人によって解釈が別れそうな作品だけど、後書きを読んだ感じだと、答えは1つらしい。
うーん、小学生の頃から化け物だったのだろうか。あのエピソードは自分をサイコパスだと思わせる為に女の子の凧をわざと放ったと言えるし。後付けで理由なんていくらでも捏造出来るから本当にわからん。
あんま後付けで言われると宿命論みたいでムカつくけどこれに関しては正解が存在する物語だから難しい。
あの「消しゴム」は
①恋心の現れなのか
②宮嶺を信じさせる為の餌だったのか
③初めて集団をコントロールしたトロフィーだったのか。
景が怪我した後に、宮嶺へのイジメが始まるんだから時系列的に考えると②か③なんだよなぁ。救いがなさ過ぎだろ。
救いがないけど、愛があったとするなら最後まで呼び方が「宮嶺」だったのが引っかかる。
最後まで幼馴染の彼氏を名字を呼ぶなんてある?ちょっとその辺はエアプだから何とも言えないけど。
宮嶺に対して嘘をついてたせいで何も信じられない。真顔で嘘ついて来る奴は基本疑う。 一度嘘を付かれたら何かある度にチラつくだろうし、信用出来なくなると思う。
でも、まぁ、それが景みたいなぶっちぎりで可愛い女の子なら何度でも騙されちゃうし、何なら勝手に自首するまである。
一度読んだだけでは答えにたどり着けない作品。なんだかなあ。タイトルにあるこの作品の恋ってなんだったんですかね。