終電の神様 感想
- 2018/03/20
- 19:22

人身事故で止まった電車の中でそれぞれの人物を描く短編集。
著者/阿川大樹 カバーイラスト/中村至宏
あらすじ
納期までに確実に納品出来ないIT社員、付き合っている競輪選手に別れを切り出そうとする女性、勤続25年の駅の売店員などなどがそれぞれ緊急停車した電車に関係したことで動き出す全7話の短編集。
短編集って一気読みに向いてないような気がしないでもなかった。
とにかく長い間積んでた。読もう読もうと思ってたら年が明けて雪が降って窓開けたら花粉が飛散して桜が咲き始めてしまった。
読む前は勝手に有川浩の阪急電車的奴だと思ってたけどそういう訳でもなかった。同じ電車に乗っているというだけでそれぞれ独立した人間模様が描かれている。
トリック的な要素がある話もあったけどミステリーに分類されるのこれ。これヒューマンドラマって奴じゃないのか。ジャンル分けの仕方は詳しく知らないけれど。
人身事故で始まる小説のラストが「ホームドア」という題で締めるのは個人的好きだった。内容も一番好み。人身事故で電車が止まって個々が振り返ることでターニングポイントになったということなのだろうか。
電車が止まらなくても自分の足を止めて振り返って見つめ直すことは大事な事かもしれない。
それにしてもこの短編集アレしてる人多すぎだろ。どんだけ出てくるんだ。