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命の後で咲いた花 感想


 不器用な優しさと真っ直ぐな想いと絶望的な愛情が交錯する恋愛小説。
 この作品は恋愛ミステリーというジャンルらしい。蒼空時雨から陽炎太陽までは過去に読んだから何となく方向性はわかるけどワクワクする。


 著者/綾崎隼 イラスト/ワカマツカオリ


 あらすじ
 主人公の榛名なずなは中学校の教師になる為に国立大学の教育学部に進学していた。
 右往左往しつつも大学生活に慣れてきた頃、基礎演習のメンバーで親睦会が行われそこである出来事が起こる。
 親睦会で榛名は友人の柊木と居た所、主催者の伊庭と真田に絡まれる。内心では上っ面で話かけてくる二人を不快に思うも柊木が真田に気がある事を聞かされていた為、邪険に出来ない。伊庭のちょっかいに戸惑っていると突如伊庭の頭に発泡酒がかけられる。
 かけたのは羽宮透弥という同じ基礎演習のメンバーだった。羽宮はそれまでの伊庭の発言を片っ端から論破するとそのまま親睦会から去ってしまう。
 榛名は以前にも羽宮に助けて貰ったことがあり、いても立ってもいられなくなり羽宮を追いかける。
 追いついた榛名は羽宮に感謝を述べるも「お前を助けた訳じゃない」と突き放される。しかし、帰り際わざわざタクシーを呼びに行ってくれたりとやはりどこか優しさを感じた榛名は心を惹かれていく。



 まず読んで思った事はびっくりした。マジでビックリした。三回ぐらい見直した。そして直ぐに一から読み直す。そんな小説。さすが恋愛ミステリー。
 二度読むと細部が違って見えてくる。
 タイトルの「命の後」ってのが不穏しすぎてビクビクだったけどなるほどそう来たかと。
 この作者の作品だいたいびっくりさせられてるな。勘が良い人なら気づくのかもしれないけど毎回没入して登場人物に注視してるから周りにまで目がいかない。あと描写の表現が綺麗だなと漠然と思った。
 

 この作品は榛名なずな視点の話と羽宮透弥視点の二つの視点で構成されている。
 天然ながら実直な榛名と不器用で素直になれない羽宮。
 羽宮は不器用過ぎる。榛名の事を心の底から愛してるのに不必要なプライドや照れが邪魔して素直な気持ちを伝えられない。榛名と出会ったことでそれまでと別の葛藤も抱えるようになったんだろうな。でもAfterの西堂のセリフが全てだと思う。
 誰かが「言葉は力を無くして行くから ここぞとゆう時に伝わるように」って歌ってたけどやっぱり最低限は口にしないと思いました。


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