崩れる脳を抱きしめて 感想
- 2018/04/22
- 19:57

医療系の恋愛ミステリー小説。いやーやっぱ恋愛ミステリーっていいですね。
本屋大賞ノミネート作品
本屋行くと作者のサイン置いてあるのはよくある。しかし、図書館に作者のサインがあるのは初めて見た。馬込図書館だったかな。意味深なタイトルと鮮烈な表紙がずっと気になってた。
表紙の色使い?が見たことあるなと思ったら「青い月の夜、もう一度 彼女に恋をする 」と同じ人だった。HPに行ったら本屋で見たことある絵が並んでた。これが人気イラストレーターってやつか。
著者/知念実希人 装画/げみ
あらすじ
主人公の碓氷は神奈川県葉山にある療養型病院に研修として広島から赴任してきた。
そこで弓狩環(通称ユカリ)という女性に出会う。ユカリは悪性の脳腫瘍があり余命もいつまでかわからない。ユカリは人の考えを見抜く不思議な人物で機嫌が悪い事を一瞬で言い当てる。碓氷は騒音のせいで勉強に集中出来ない事を打ち明けるとユカリは自分の部屋で勉強しに来ればいいと提案してくる。
ユカリに振り回されつつも少しづつ思いを募らせる碓氷。意を決して研修の最終日に告白しようとするも「私は幻だから」と言われ気持ちを伝えそこねてしまう。広島に戻った碓氷にユカリが死んだという知らせ入り…
プロローグから不穏で暗雲が立ち込められてるようなイメージでずっとハラハラしていた。帯には感動の恋愛ミステリーって書いてあるけど不穏すぎて。
ちょっとQOLの話とかあって倫理の授業で受けた事を思い出した。安楽死ってすげえ大変そうなんだよな。主に医師が。何度も何度も意思確認して何度も会うから患者と打ち解けるんだけれども、最後に看取るのはその医師な訳で。オランダとかの話だった気がするけどまだあの制度のままなのかな。
ユカリさんのセリフのせいで出てくる人物全員が怪しく見えてしょうがなかった。どいつもこいも怪しすぎる。どんな巨悪が出てくるのかと思った。病院も怪しいし他の病院も怪しいしぜってえ勝てねえよと一人で絶望してた。
勿論感動なんだけど前評判のせいで身構えすぎた感はある。というより途中からハラハラしすぎて集中できてなかった説。やっぱ読むなら真っ平らな状態で要らない情報排除した方がいいな。でも要らない情報が無いと手に取りづらくなるジレンマ。
コンピューターで計算したような緻密な伏線とトリックだった。これは知識が無いと書けない作品だと思う。