三角の距離は限りないゼロ 感想
- 2018/05/16
- 13:35
二重人格の少女とその片方の人格に惚れた少年の青春ラブコメライトノベル。
相変わらず表紙が可愛いですねハイ。「読者と主人公の二人のこれから」読んだ時も思ったけど挿絵が綺麗だとそれだけでテンション上がる。挿絵って他の媒体に無い武器だわ。
著者/岬鷺宮 イラスト/Hiten
あらすじ
矢野四季は他人に求められる自分を演じてしまう性格でそしてそんな自分を嫌悪していた。
普段の作り上げたキャラクターと合わない小説を読んでいるとこを転校生の水瀬秋玻に見られてしまい動揺する。すぐさま繕って仮面を被るも秋玻に良い小説なんだからそんな事せずに胸を張ればいいと肯定され四季は心を動かされる。
衝撃的な出会いをした日、四季は忘れ物をし教室に戻ると見た目は水瀬秋玻なのに喋りも雰囲気も違う少女がいた。少女は隠せない事を悟ると「水瀬秋玻は二重人格で自分はサブ人格の水瀬春珂です…」と衝撃的な事実を告げる。
メインキャラクターそれぞれ葛藤があってよかった。面白かった。
とりあえず二回読んだらもしかしてこれメインヒロイン春珂?という感覚に陥った。おかしい何故だ…表紙もラストも春珂に見えてしょうがなくなった。どうすんだこれ。ほんとはどっちなんだ…ぐおお。
クールで何事もそつなくこなす秋玻と天然気味でプレッシャーに弱い春珂。二人はどうなってしまうんです?
「読者と主人公」から連続登場の修司と須藤。基本的に良い奴すぎるだろこいつら。
そして唐突に出てきたももせ。教師になったのか。こんな立派になるなんて…
最後に読んだのいつぞやレベルだから失恋探偵も読み返そう。読み返すリストが溜まってく。
本心を曝け出すのは怖いから。怖いのは拒絶されたら自分そのものが拒絶された気になるから。だから繕って上辺で誤魔化す。それでも恐怖を知っても本心を受け止めて欲しいという感情が生まれる時もある。
空気を読むのは場を円滑にする点で大事だけど空気読むだけで自分を隠し続けると息苦しくなる。塩梅が難しい。
あとがき的にどうやら2巻も出るっぽい。やったぜ。
でもラノベのこういうのって油断出来ないんだよなぁ。ちょい古めのラノベ買って面白くて続巻調べたら作者が別の作品書いてて強制打ち切りENDだったのが何度あったことか…稀に数年の時を経て出たり別のレーベルからポンと続きが出る事がある。でも本当に稀。でもこれは大丈夫だろう多分。ソースは作者のTwitter。
この作品の肝はヒロインが二重人格という点な訳で。二重人格が含まれる作品の重い部分で片方の人格が消えてしまう可能性が大きい点。消えてしまった時の関わっていた人達の苦悩。そして二重人格が発生した原因の3つがあると思っててこれらをどこまで描写するんだろうという疑問。個人的にはシリアスマシマシチョモランマになっても書ききって欲しいなと。でも消えないENDはそれはそれで有りか。
両方のヒロインが後半見せるギャップが素晴らしい作品だった。