蒼空時雨 感想
- 2018/01/16
- 18:08

著作/綾崎隼 イラスト/ワカマツカオリ
買った理由を全く覚えてない作品。
どっかでオススメされてたか表紙のデザインかレーベルかのどれかだろう。タイトルかもしれない。なんかかっこいいし
舞原零央の住んでるアパートの前に女性が倒れてるとこから始まる恋愛小説。
中学の同級生、高校の先輩後輩、姉妹とその夫など一見関係無さそうな合計7人が緻密に絡む物語。
親からブガッティ・ヴェイロンを与えられてる金持ちの息子も出てくる。最速時ガソリン1リッターで800mしか進まないモンスター。ヴェイロン売ればある程度の生活できそう。でもそれじゃ物語にならん。
ボンボンと言っても小太りのスネ夫みたいな感じではなく色々もがいてる私立探偵。むしろこの私立探偵がキーパーソンだが別に推理ミステリーではない。
登場人物がナチュラルにサッカーを話題に出したり好きだったりしていた。これは作者が単純にサッカー好きなのかそれとも世間ではサッカーというスポーツは自分が思っている以上に浸透していて「今日、天気良いね」レベルで「ハリー・ケインは本物だったね…」とか会話してるのだろうか。たぶん前者だろう。
主要登場人物が他者を思いやる優しい人間しか出てこない小説だった。人類が全員こんな感じなら譲りまくって優先席とかいらなくなりそう。
基本的に読むときに伏線など気にしたりしない為後からガツンと回収されるのは読んでいて楽しかった。
ここの話がここに繋がってくるのかと何度感心させられたというか驚かさせられたというか。
自分は微塵も気にしなかったが全てを綺麗に回収していくので物語にリアリティを求める人には合わないかもしれない。
運命の再開がスタートだがこんな形になるのもあるんだなぁと。
文章が読みやすい綺麗な小説だった。これがデビュー作らしいけど作家ってすごいな。