真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐B〉 感想
- 2018/05/29
- 23:24

鏡に向かって毎日「お前は誰だ」と言い続けると自分が誰だかわからなくなる都市伝説は聞いた事あるけどそんな感じなのだろうか。
著者/本多孝好
あらすじ
あれから2年経った「僕」は広告代理店から転職して別の道を歩んでいた。そんな中、ゆかりの夫である尾崎から「僕」はある頼みを受ける。頼みというのは妻のゆかりに会って欲しいという事だった。尾崎は些細なきっかけから自分と共に暮らしているのはかすみなのかゆかりなのかが判断出来なくってノイローゼに陥っていた。
side-Bはside-Aと打って変わって開幕からミステリー全開だった。
出てくる人物は同じだから雰囲気は近いけど主題が違うようなイメージ。こっちを読んだ後に思い返すとAは恋愛小説だな多分。
過去に囚われてどこか壊れていた主人公が成長していたからこれでよかったのだろうか。別の道も確かにあったと思うけど。うーん、わからん。
人を構成する要素で容姿、性格、趣味嗜好、立ち振る舞いなどなどがある訳で。それらが全く同じで記憶まで混ざったら誰がどうやって判断すればいいのだろう。現実ではありえないけど話だけどアイデンティティついて真剣に考えるってのも面白そう。
それにしてもsideA.Bなんてあるから視点が変わる系なのかと思ってたら視点は変わらず正統続編とは。しかも二人が結ばれたとこで終わった筈なのに激動の空白期間があるし。
結局元はどっちだったのだろう。根拠は無いし感覚的な物で判断するしかないけど自分は妹の方だったのではないかと思う。
本多 孝好 新潮社 2007-06-28
- 関連記事
-
-
黄色い目の魚 感想
-
真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐A〉 感想
-
真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐B〉 感想
-
東京湾景 感想
-
あの日の僕らにさよなら 感想
-
海の仙人 感想
-