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スロウハイツの神様(上)  感想


 クリエイターの卵達と人気脚本家による青春群像劇


 この作品の主要人物である赤羽環って同じ作者の「島はぼくらと」にも出てきたような記憶がある。これアレか、全ての作品が同じ世界で他の作品にもちょくちょく出てくる的な奴。個人的はそういうの結構好き。


 著者/辻村深月

 あらすじ
 人気急上昇中の脚本家の赤羽環はある出来事でお金持ちの老人から旅館だった建物を貰う。1人で住むのも勿体無いので格安の家賃で夢に向かっている仲間達を住まわす事にした。
 環の親友の円屋、映画監督を目指す長野、画家を目指す森永、漫画家を目指す狩野。そして大人気小説家のチヨダコーキとその編集者の黒木。
 それぞれが真っ直ぐな気持ちで互いにリスペクトしながら夢に猛進していると思われていたが…




 トキワ荘ような空間が舞台。個性が強く皆がそれぞれの分野で成功を夢見て奮闘する。失敗したらどうしようとかでは無くひたすら夢に向かって一直線。心でぶつかり合う関係。これが若さから来る活力か。既に大成功収めてる住人もいるけど。

 クリエイターと聞くと何故か直感的に胡散臭えと思ってしまうのだがスロウハイツに住む彼らを説明するのはやっぱりクリエイターの卵になってしまう。まぁ、肩書が片仮名で語尾を伸ばす奴は等しく胡散臭い。クリエイター、プロデューサー、ボトラー、オムツァー…

 上下巻構成の上巻だから登場人物の過去だったりここに至る経緯の説明が多いのは仕方ない。それでも嵐の前兆のような終わり方をしていたし読んでてワクワクもしたので下巻に期待。下巻がすげえ分厚い。470ページもあるから何か起きるだろ多分。

 チヨダコーキも怪しいし黒木も怪しいし後半加入した加々美も怪しい。登場人物の半分くらい怪しいな…チヨダコーキを模倣している作家も何かの伏線なのか。環のストレートにぶつかり続けるスタイルはいざこざを生みそうではあるけど下巻で住民がバラバラになるような終わり方にならない事を願う。下巻で男女のいざこざに発展するのだろうか。全てはチヨダコーキと赤羽環次第なんだろうけど。

 
 なんだかドラマを見ているかのような1冊だった。スロウハイツの神様は誰なのかそもそも出てくるのか。


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